「リオンはマリアンさんのこと、どう思ってるの?」
唐突にそんなことを聞かれた。
「なぜそんなことを聞く」
「別に…ただ今も大事に思ってるんだろうなって」
「それがわかっているなら聞かなければいいだろう」
暖炉の前のラグに横たわったまま、微笑うシン。
「人ってうつろうものだよね」
「?」
「でもリオンは私と一緒。
うつろわない人なんだ。だから私も安心していられる」
外は霧が巻いている。
雨も降ってきたろうか。
静かな夜だった。
「リオンは私のこと、置いていかないでね」
そういって微笑うシンは、なぜか泣いているようにも見えた。
[23回]
PR