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TOD1,2キャラクターによるレスや日々の記録【サイト話題に付随したブログです】
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シンの怖いものってなんだろう?

常日頃、なーにも疑問にもたないスタンがその疑問を抱いたのはある昼下がりのことだった。
騒乱から5年。
いい加減にせーよ、というくらいの時が経っている。
そんなこんなでダリルシェイドに買い出しにやってきたスタンは本人のもとに寄り込んで訊いてみた。
「怖いものか~幽霊とか」
「うそ」
「なんで「うそ」?」
「だって全然そんな風に見えないしさぁ」
「ん、それはよく言われる。でも幽霊って物理的に倒すことができないじゃない。悪意を持ったやつとか…怖いよ」
「そういわれれば」
妙に納得。
そうなのである。幽霊ばかりは(いるのだとすれば)剣でも晶術でも倒せない。
(いるのだとすれば)一方的に怖い思いをさせられるだけなのである。
じゃあ悪意のないやつは怖くないのか…といえば、またそれは別問題であるが。
(毒蛇は怖いが、アオダイショウは平気という理屈)


さて、孤児院に戻ってスタンは早速そのことをルーティに話した。
「ふーん、意外…というかそうでもないというか」
「ルーティは想像できるのか?シンがお化けを見てキャーって言うとこ」
「いや、きゃーとは言わないと思うわよ。でも…」
にまり。
嫌な笑い。
スタンは「?」を浮かべたまま今年2歳になったカイルを椅子の上に抱き上げた。


「?」
シンは最近正体不明の音に気づいていた。
これが家のきしみだとしても大して怖くはない。
だが、夜になると鳴る「ピシリ」というこの音は、窓を開けても未だ持って正体不明で気にはなっていた。
そこへリオンの訪問。時間はもう寝ようと思っていた頃合いだ。
ピシっ
音はタイミングを選ばず鳴った。
「………リオン、これ何の音だと思う?」
臆せず聞いた。
「何の音?何のことだ」
「聞こえなかった?家鳴りみたいな…リオンの部屋の方は聞こえない?」
「聞こえんな。それに家鳴りするほどこの屋敷は古くももろくもないだろう」
じゃあ何の音?
シンの眉が寄った。
「ラップ音じゃないのか」
「ラップ…音」
「知らないのか?誰もいない部屋や空間からある種の音が発生する一種の心──」
「知ってる、知ってるってば」
もういい、とばかりにシン。
その手は意味もなくリオンの背中を押しやっている。
他意のないリオンは一瞬「?」を浮かべたが次の瞬間…なんとなくルーティに似ている笑みをうっすらと浮かべた。
「怖いのか」
「怖いよっ」
否定は返ってこなかった。
その代わり振り返るとどこか不機嫌そうな…というより頬を膨らましそうなシンの顔がある。あまり見たことがない表情である。
「たかがラップ音だろう。だいたいいつから鳴ってるんだ」
「…1…2週間前?」
「じゃあその間ずっと同居していたことになるだろう。今更なんだというんだ」
ピシ。
今度はリオンもその音を聞いたが知らん顔をした。
それよりうーっと唸りそうなシンの方が面白いのが事実だった。
なお、その数週間の中では時折
ギシギシ、メキッ
という音もしていた。
たまになので気にしなかったが気にすると
「「!!」」
ということになる。(これにはリオンもびびった)
「じゃあな」
珍しくおやすみのあいさつをして背を向けるリオン。
しかし裾に違和感を覚えて立ち止まる。
間(ま)。
振り返ればじっっと無言で見上げているシンの姿がある。
「なんだ」
ため息をつきつつリオン。
「言い逃げはいけません」
なぜか敬語になっているシン。
「僕にどうしろというんだ」
シンは一瞬、問われて思考したようだったが…
「一緒に、寝る?」
「なっなぜその結論に行きつく。大体なんだ、その疑問形は!」
「じゃあ他に代替案を──!」
「我慢すればいいだろうが」
「いやっ、眠れないー!」
泣いたカラスが何とやら。
事実は逆であるし、やぶをつついたのはリオンなのであるが。
「責任とれい!」
「僕のせいか!?」
シンは枕をリオンに投げつけて思わずキャッチしたリオンより先に部屋を出て行ってしまう。
「お泊まり会で友達と一緒に寝るくらいするでしょう!?」
「男二人で寝るか!」
私は女だ。何か問題が
逆に大有りなのだが言葉に詰まるしかないリオンであった──。



ちなみに窓枠の下にはレンズ製のおもちゃレベルの機械があってとりつけたのはルーティ・カトレットその人。
その人はと言えば、1日目でシンが反応を見せなかったため飽きて、今頃はころりと忘れていることだろう。


********

何かミニアンケートの結果を見てたら無償に書きたくなった話。
これ書いてる途中、電燈があやしくピシィっと明滅しました。

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