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TOD1,2キャラクターによるレスや日々の記録【サイト話題に付随したブログです】
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つらつらとお題(←自分で作った)に挑戦してみる。
拍手に上げようと思ったけど面倒なのでここにUP。
その内拍手化するかもですが、ここを見てくださっている方だけフライングでお楽しみください。

1.5月5日

「リオンちょっとこっち来て」
シンが呼んでいる。
リオンは「?」と疑問符をはりつけながらもおとなしくシンの方へと向かった。
「ちょっとここに立って」
「なんだ」
「いいから」
「??」
背を柱につける形になるとシンは定規を頭にあてがう。
「おい」
「はい、OK」
反論の余地もなく解放された。
見ると柱には一筋の傷。
「はい、背比べ。ほら、私と変わらないでやんの」
「う、うるさい#」
片手を振り上げてみるものの行き場などあるはずもなく…
残された一筋の傷は長らく、残るはめになった。

2.背比べの跡

それが5年前のことだ。
「リオン、こっち来て」
「またか」
僕は子供じゃないんだぞ。
ぼやきながらも柱に向かう。
そこには年々高くなっていく傷と、一番低いまま伸びない傷があった。
「お前はちっとも伸びないな」
「うーん、リオンもそろそろ打ち止めかな」
言ってくれる。
来年はさらに上を行ってやる。
なんだかんだいいつつも、
どうでもいいことに熱くなっているリオンであった。

3.傷跡
「痛っ」
「どうした」
「手、切っちゃったよ~」
よそみでもしていたのか、その手元を見ると小さな傷だろう割に大げさな血。
「とりあえず洗っとけ」
救急箱の中からカットバンを取り出す。
それから包帯も。
片手では不自由だろう。
仕方なく、カットバンを封切って巻いてやる。
「包帯はいらないよ」
とはいえ、すぐに血がにじんでくる。
医療用のテープを強く巻いて、なんとか止血した。
「痛い」
「当たり前だ」
「こんなに小さな傷なのに…」
じっとシンは遠い目をしたようだった。
また何を考えているのか。
「痛かったね、リオンも」
「何の話だ」
なんでもない、シンはおとなしい顔で微笑う。
「…」
なんとなく、昔のことを思い出した。
「お前の方がよほど大けがをしていたろう」
「そういわれればそうかもね。でも痛いとか思う暇なかったから」
「それは僕だって同じだ」
「そっか」
小さな傷も痛いと言える、この穏やかな時間は
果たして、幸いなのだろう。
ぱちりと暖炉で薪の爆ぜる音がした。


4.意外なる敵

「痛っ!」
「また切ったのか」
さっきは包丁、今度は何だ?
見れば彼女の手には、凶器となるようなものは握られていなかった。
ただ書類の束を除いては。
難しい顔で書類とにらめっこしている彼女。
「……」
黙ってみていると
「なんかケンカ売られている気がする」
ぽつりとつぶやいた。
「書類にか」
「こうなると紙も凶器だよ。スパッと切れたよスパっと」
それは学識あるものなら一度は経験することだろう。
どうやら紙で手を切ったらしかった。
「今日は厄日だと思ってあきらめるんだな」
「全くどうしてくれよう」
人のことなどこれっぽっちも聞かずに
シンは書類に対していかに勝利するかを考えているようだった。

拍手[20回]

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