TOD1,2キャラクターによるレスや日々の記録【サイト話題に付随したブログです】
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「あ、ツバメだ」
それは初秋のこと。
夏の終わりに雨が降って、途端に涼しくなった、ある日。
ふいにシンが空を見上げ、呟いた。
「まだいるんだね」
「渡っている最中なんじゃないのか」
ぽつりぽつりと黒い点。
夏には姿を間近に見せたツバメたちは、空の高さに比例するように高い高い場所を滑空していた。
もう手が届かないほどの空の高みで、気づけばあちこちに姿が見える。
空の広さを考えれば大集団だった。
きっと、群れになって移動する最中なのだ。
「『僕たちはどこへ帰るんだろうな』」
「?」
「"ジューダス"が言ったんだよ。覚えてないの」
覚えてないわけじゃない。
ただ…
「お前は余計なことを覚えすぎだ」
シンはただ笑った。
「もう帰る場所、あるよね?」
空を見上げる。
疑問にすら思わない。
あの時とは明らかに違う気持ちだった。
「そうだな」
自然と口元にもかすかな笑みが浮かんだ。
秋の風が、心地よかった。
---------
いつかの話の続き。
シンの帰る場所は?って話もありましたがリオン視点からのみのお話となりました。
ところでTODの世界ってつばめは「北に」帰るんでしょうか。
素朴な疑問。
それは初秋のこと。
夏の終わりに雨が降って、途端に涼しくなった、ある日。
ふいにシンが空を見上げ、呟いた。
「まだいるんだね」
「渡っている最中なんじゃないのか」
ぽつりぽつりと黒い点。
夏には姿を間近に見せたツバメたちは、空の高さに比例するように高い高い場所を滑空していた。
もう手が届かないほどの空の高みで、気づけばあちこちに姿が見える。
空の広さを考えれば大集団だった。
きっと、群れになって移動する最中なのだ。
「『僕たちはどこへ帰るんだろうな』」
「?」
「"ジューダス"が言ったんだよ。覚えてないの」
覚えてないわけじゃない。
ただ…
「お前は余計なことを覚えすぎだ」
シンはただ笑った。
「もう帰る場所、あるよね?」
空を見上げる。
疑問にすら思わない。
あの時とは明らかに違う気持ちだった。
「そうだな」
自然と口元にもかすかな笑みが浮かんだ。
秋の風が、心地よかった。
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いつかの話の続き。
シンの帰る場所は?って話もありましたがリオン視点からのみのお話となりました。
ところでTODの世界ってつばめは「北に」帰るんでしょうか。
素朴な疑問。
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